生産地を訪ねて vol.02
風のがっこうのフルーツミニトマト
宝石と呼ばれるトマトは北の大地と愛情の賜物。
「宝石」と呼ばれるミニトマトが色づき始めた7月上旬、北海道伊達市でミニトマトを生産する「風のがっこう」を訪ねました。
太平洋側に位置する伊達市は、北海道の中でも比較的温暖な気候のまち。海沿いから山間部まで、変化に富んだ地形を生かして農業も盛んに行われている地域です。そのまちで、「風のがっこう」はミニトマトに特化し、減農薬栽培を行っています。
「特別なことをしているわけじゃないんだよ」と笑うのは、生産者の平賀農(ひらがつとむ)さん。「あえて言うなら、北海道の土と気候がトマトをおいしくしてくれるのかな」。北海道の大地が雪に閉ざされる2月。平賀さんのトマト作りがスタートします。一粒ずつタネをまいて苗を育てるのです。「買ってきた苗では、ここの気候に合わないかもしれない。芽が出る前から北国の気候に合わせて育てるんですよ」と平賀さん。ビニールハウスで雨をしのぎ、ときに寒さから守り、ときには涼しい風を取り入れ、トマトにとって最高の環境を作るのが自分の仕事だと平賀さんは語ります。さらに、朝晩と日中の寒暖差でトマトはギュッと甘さを蓄えるのだとか。「宝石」と呼ばれるトマトはこうして、北海道の気候と作り手の愛情によって大切に育てられていました。